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投稿日:2025.06.23

【定款 絶対的記載事項】必須項目と記載例・作成時の注意点を完全ガイド

会社を設立する際に欠かせない「定款」。その中でも、絶対的記載事項は、会社の基本情報を明確にし、法律上必須とされている重要な項目です。しかし、「どんな項目を記載しなければならないのか?」「記載漏れがあるとどうなるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、定款に記載が義務付けられている絶対的記載事項について、具体例や記載ルールを徹底解説します。

さらに、法人形態別の違いや、よくあるミスとその防ぎ方、定款作成に役立つ最新ツールについても紹介。会社設立をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。

定款の絶対的記載事項とは?基本を解説

会社設立において、最も重要な書類の一つが「定款」です。その中でも「絶対的記載事項」と呼ばれる項目は、法律上、必ず記載しなければならない内容として定められています。

絶対的記載事項とは、会社法により定款に記載が義務付けられている項目を指し、これが欠けていると定款自体が無効となる可能性があります。会社設立の際に登記申請を行うためには、定款が適法に作成されていなければなりません。

日本の会社法では、次のような事項が絶対的記載事項として規定されています。

  • 商号(会社の名称)
  • 目的(事業内容)
  • 本店所在地(会社の主たる事務所の所在地)
  • 資本金の額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称及び住所
  • 発行可能株式総数(株式会社の場合)

これらの項目を正確に記載することで、会社の基本情報が公に明確化され、後々の法的トラブルを防ぐことにもつながります。

絶対的記載事項に含まれる内容一覧

定款には、会社設立にあたって必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」が定められています。それぞれの項目について、ポイントを押さえて解説します。

商号:会社の名前

商号とは、会社の正式な名称を指します。商号を定める際には、同一住所に同じ商号が存在しないことが求められます。これは「同一商号・同一本店所在地の禁止」と呼ばれるルールであり、法人登記の際に重要なチェックポイントとなります。

また、商号には使用できる文字の制限や、事業内容によっては特定の用語使用に規制がある場合もあります。たとえば「銀行」「保険」などの業種に関連する名称は、一定の要件を満たさなければ使用できません。

ポイント

  • 同一住所に同一商号は登記できない。
  • 業種によっては特別な許可が必要な用語がある。
  • 読みやすく、事業内容が連想できる商号設定が理想。

目的:事業内容

会社の目的には、実際に行う事業内容を具体的に記載します。将来的な事業展開も見据えた記載が重要です。目的が曖昧すぎると、登記時に補正を求められる場合があり、逆に範囲を狭くしすぎると後から目的変更の手続きをしなければならないリスクが生じます。

将来実施する可能性がある事業も含め、幅広く記載しておくことで、事業拡大時の柔軟性を確保することができます。

ポイント

  • 現在の事業だけでなく、将来の展開も想定して記載。
  • あいまいすぎる表現は避け、具体的に記載。
  • 目的の数が多すぎると法人の口座開設で不利になることがあります。

本店所在地:会社の拠点

本店所在地は、会社の主たる事務所の住所を指します。定款には市区町村レベルまでの記載で問題ありません。ただし、登記申請時には具体的な番地まで記載する必要があるため、定款と登記申請書で求められる記載レベルに違いがある点に注意が必要です。

ポイント

  • 市区町村までの記載でOK(例:東京都港区)。
  • 登記時には詳細住所(番地まで)が必要。
  • 本店所在地は後から移転登記が必要になるので慎重に設定(登録免許税が発生します)。

資本金:会社の信用度を示す額

資本金とは、会社の設立時に出資された金額を示します。最低資本金制度は廃止されているため、1円からでも会社設立は可能です。しかし、資本金が極端に少ないと、社会的信用が得にくくなる場合があるため、慎重に設定する必要があります。

ポイント

  • 最低資本金制度は2006年に廃止済み。
  • 信用力を意識して、適切な資本金額を設定。
  • 資本金は登記簿謄本に記載されるため、低すぎる資本金は信用が低下する可能性があります。

発起人情報:設立者の情報

発起人とは、会社設立を企画し、実際に手続きを行う人物または法人です。定款には、発起人の氏名または名称と住所を記載する必要があります。設立登記にあたっては、発起人が署名または記名押印を行う義務もあるため、記載ミスがないよう細心の注意を払いましょう。

ポイント

  • 氏名(法人の場合は名称)と住所を記載。
  • 誤記・記載漏れは設立手続き全体に影響。
  • 発起人は設立後、株主になることが一般的。

発行可能株式総数:株式会社特有の項目

株式会社を設立する場合、発行可能株式総数の記載が必要です。これは、将来的に発行できる株式の最大数を定めるもので、会社の資金調達計画にも影響を与えます。忘れがちな項目ですが、これがないと会社設立登記が認められません。

ポイント

  • 株式会社の場合のみ必要な記載事項。
  • 具体的な株式数を明記。
  • 将来の増資計画を考慮して設定。

法人形態別の絶対的記載事項の違い

会社の形態によって、定款に記載しなければならない絶対的記載事項には違いがあります。それぞれの法人形態について、詳しく見ていきましょう。

株式会社の場合

株式会社の定款には、次の絶対的記載事項が定められています。

  • 商号
  • 目的
  • 本店所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所
  • 発行可能株式総数

株式会社では、株式発行が前提となるため、「発行可能株式総数」の記載が必要不可欠です。この記載が欠けていると、設立登記が受理されません。

また、株式会社は所有と経営が分離していることが一般的であり、株主が所有者、取締役が経営者として機能します。さらに、株式による資金調達が可能であり、大規模な資金を集めやすいという特徴もあります。規模が大きくなると取締役会や監査役の設置が義務付けられるケースもあります。

合同会社の場合

合同会社(LLC)は、株式会社と異なり株式を発行しないため、発行可能株式総数に関する記載は不要です。代わりに、次の事項を定款に記載します。

  • 商号
  • 目的
  • 本店所在地
  • 社員(出資者)の氏名または名称および住所
  • 社員の出資の目的およびその価額
  • 業務執行権限に関する事項(省略可)

合同会社は、出資者全員が原則経営に参加するため、所有と経営が一致する形態です。このため、出資者自らが経営に関与することができ、柔軟な経営が可能となります。また、定款内容の自由度が高く、設立費用も株式会社に比べて低いため、スタートアップ企業や小規模事業者にとって魅力的な選択肢です。

NPO法人の場合

NPO法人は、特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき設立される法人で、営利を目的としません。そのため、定款に記載すべき絶対的記載事項は公益性を重視した内容になっています。

  • 名称
  • 目的
  • 事務所の所在地
  • 設立当初の役員に関する事項(氏名・住所等)
  • 活動分野
  • 社員の資格に関する事項
  • 会費に関する事項
  • 資産の構成に関する事項
  • 解散時の残余財産の処分に関する事項
  • 事業年度に関する事項

特に、活動分野や社員の資格要件の記載が必要であり、一般的な営利法人とは異なる点です。さらに、NPO法人の設立には所轄庁の認証が必要であり、定款の記載内容に不備があると認証を得られない可能性があるため、慎重な作成が求められます。公益性の高さが前提となるため、事業内容と社会的意義を明確にすることが重要です。

特例有限会社の場合

特例有限会社は、2006年の会社法施行前に設立された有限会社が、特例措置により存続している法人形態です。現在は新たに有限会社を設立することはできません。

定款に記載すべき絶対的記載事項は以下の通りです。

  • 商号
  • 目的
  • 本店所在地
  • 設立時の社員(出資者)の氏名または名称及び住所
  • 出資の目的及びその価額
  • 業務執行の方法

特例有限会社は、社員全員が業務執行権を持ち、出資者が直接経営に関与する仕組みです。また、株式の発行がないため、発行可能株式総数の記載も不要です。このため、株主総会の開催義務もなく、比較的シンプルな運営が可能です。

定款作成でよくあるミスとその防ぎ方

定款は会社設立の土台となる非常に重要な書類ですが、初めて作成する際には思わぬミスをしてしまうことも少なくありません。ここでは、よくある失敗事例とその防ぎ方について詳しく解説します。

記載漏れによるトラブル事例

定款作成時に最も多いミスの一つが、絶対的記載事項の記載漏れです。特に、発起人の情報や発行可能株式総数(株式会社の場合)など、項目が多くて見落としやすい部分が原因で、設立登記が受理されないケースが発生しています。

たとえば、発起人の氏名や住所の記載に漏れがあったために、法務局から補正を求められ、設立手続きが大幅に遅れたケースが実際に報告されています。また、目的の記載が曖昧で、具体的な事業内容が不明瞭だったため、登記を拒否された例もあります。

このようなトラブルを防ぐためには、以下のポイントが重要です。

  • 絶対的記載事項をリスト化して、漏れがないかチェックする。
  • 目的については具体的かつ適切な表現を使う。
  • 専門家(司法書士・行政書士)にレビューを依頼して、第三者の目で確認してもらう。

事前にしっかりとチェック体制を整えることで、設立手続きの遅延や余計なコストの発生を防ぐことができます。

事業内容の将来性を考慮する重要性

定款に記載する事業目的は、単に現在行う事業だけでなく、将来的な事業展開を見据えて記載することが重要です。現在の事業内容にしか対応していない定款だと、事業拡大や新規事業開始の際に定款変更が必要となり、時間もコストもかかってしまいます。

たとえば、IT関連のスタートアップが「ウェブサイト制作のみ」と目的を記載していた場合、後にアプリ開発やコンサルティング事業を開始したいと思っても、定款を変更しなければなりません。この定款変更には株主総会の特別決議が必要であり、さらに変更登記にも費用(登録免許税3万円)がかかります。

こうした事態を避けるためには、次のような対策が有効です。

  • 事業目的を広く設定し、将来の事業拡大に備える。
  • 具体性と網羅性のバランスを考慮して記載する。
  • 業界の将来動向を踏まえた事業範囲を定める。

このように、最初から将来を見越した定款作成を行うことで、後々のコストと手間を大幅に削減することが可能になります。

定款作成時に役立つツール・サービス

定款作成は会社設立の最初のステップであり、正確かつスムーズに進めることが求められます。近年では、定款作成をサポートするツールやサービスが充実しており、特にオンラインで利用できるクラウド型サービスが注目を集めています。ここでは、定款作成時に役立つツールと、電子定款認証のメリットについて解説します。

クラウド型登記支援サービス紹介

従来、定款作成や登記手続きは、専門家に依頼するか、自分で一から書類を作成する必要がありました。しかし最近では、クラウド型登記支援サービスが普及し、より手軽に定款作成を進めることが可能になっています。

クラウド型サービスでは、質問に答える形で入力していくと、必要な情報が自動的に定款に反映される仕組みが多く採用されています。複雑な法的知識がなくても、ミスなく定款を作成できるのが最大のメリットです。

さらに、多くのサービスでは、定款の電子認証や登記申請書類の作成までサポートしてくれるため、起業にかかる手間と時間を大幅に短縮できます。

代表的なクラウド型登記支援サービス例

  • freee会社設立
  • GVA法人登記
  • Bizer法人設立

これらのサービスを活用すれば、低コストかつ短時間で定款作成・登記手続きを完了させることが可能です。

電子定款認証のメリット解説

会社設立時には、定款を公証人役場で認証してもらう必要があります。従来の紙の定款認証に加えて、現在では電子定款認証が広く利用されています。

電子定款認証を利用する最大のメリットは、収入印紙代(4万円)が不要になる点です。紙の定款では収入印紙を貼る必要がありますが、電子データでの提出により、この費用を節約できます。

また、電子定款はオンラインで手続きが完了するため、公証人役場に出向く必要がない場合もあり、手間を大幅に削減できるのも魅力です。ただし、電子署名のためのソフトやICカードリーダーが必要となるため、これらの環境が整っていない場合は専門家(司法書士や行政書士)に依頼するのが一般的です。

電子定款認証のメリットまとめ

  • 収入印紙代4万円の節約ができる
  • オンラインで手続き可能、時間と手間の節約
  • 訂正が容易でデータの管理がしやすい

これらのツールと電子定款認証を活用することで、会社設立のプロセスをよりスムーズかつ効率的に進めることができます。

定款の絶対的記載事項に関するQ&A

ここでは、定款の絶対的記載事項に関して、よくある質問にお答えします。

絶対的記載事項と絶対的登記事項との違いは?

絶対的記載事項と絶対的登記事項は似ていますが、対象が異なります。

  • 絶対的記載事項:定款に必ず記載しなければならない事項
  • 絶対的登記事項:登記申請書類に必ず記載しなければならない事項

つまり、絶対的記載事項は「定款」に関する要件、絶対的登記事項は「登記」に関する要件です(と規模謄本に記載される事項になります)。両者は密接に関係していますが、書類の種類と手続きのタイミングが異なる点に注意が必要です。

定款に書かなければいけないことは何ですか?

定款に必ず記載しなければならないのは、前述の絶対的記載事項です。加えて、会社の運営ルールなどを定める相対的記載事項や、会社独自のルールを定める任意的記載事項を記載することも可能です。

相対的記載事項とは、記載することで法的効力が発生する項目(例:取締役会の設置、株式譲渡制限など)を指します。

任意的記載事項とは、必須ではないが記載しておくと後々便利な事項(例:事業年度、株主総会議長の定めなど)を指します。

ただし、任意的記載事項を盛り込みすぎると、定款の柔軟性が損なわれる可能性があるため、必要最低限にとどめておくことが望ましいでしょう。

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まとめ

会社設立において、定款の作成は最も重要なステップの一つです。特に、絶対的記載事項は法律で記載が義務付けられており、これを欠いたままでは会社の設立登記が認められません。商号、目的、本店所在地、資本金、発起人情報、発行可能株式総数など、必要な項目を正確に盛り込むことが求められます。

また、法人形態によって必要な記載事項は異なります。株式会社、合同会社、NPO法人、特例有限会社など、それぞれの形態に合った内容をきちんと理解し、作成することが重要です。

近年では、クラウド型登記支援サービスの活用や電子定款認証の利用により、定款作成から登記までをスムーズかつコスト効率よく進めることも可能になっています。

会社設立に関する不安や疑問がある方は、ぜひ専門家への相談も検討してみてください。明治通り税理士法人では、会社設立のサポートはもちろん、設立後の税務・会計サポートまで一貫してお手伝いしています。

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