個人事業主が住民税を安くする11の節税術【2025年最新】
「住民税が高すぎる…どうにかならないの?」
そう悩む個人事業主の方は少なくありません。
所得に応じて課される住民税は、適切な節税対策を講じることで大幅に軽減できる可能性があります。
この記事では、住民税の基本から節税の具体的な方法まで、個人事業主が実践できる11の対策を詳しく解説します。さらに、年収別のシミュレーションやよくある質問にも対応し、「自分にとって最適な住民税対策とは何か?」を見つける手助けをします。
確定申告や帳簿管理に不安を感じている方、これから住民税の節約を本気で考えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
住民税とは?個人事業主にかかる仕組みを解説
個人事業主として働いていると、所得税ばかりに目がいきがちですが、もう一つ大きな負担になるのが「住民税」です。住民税は、所得に応じて課される地方税で、毎年6月頃に「住民税決定通知書」が届き、支払う金額が確定します。
まずは、住民税がどのように構成されているのかを整理してみましょう。
住民税の構成と概要
| 区分 | 内容 | 課税方法 | 金額の目安(東京都・2025年時点) |
| 所得割 | 前年の所得に応じて課税 | 所得金額 × 約10% | 所得により変動(例:課税所得250万円→約25万円) |
| 均等割 | 所得に関係なく一律課税 | 定額(市区町村+都道府県) | 年間約5,000〜6,000円 |
所得割とは
「所得割」は、前年の課税所得に対して約10%の税率がかかる部分です。たとえば、課税所得が250万円の個人事業主であれば、約25万円の所得割が課税されることになります。
均等割とは
「均等割」は、所得に関係なく一律で課される住民税です。2025年時点の東京都では、市区町村と都道府県の合計で年間5,000〜6,000円前後となっています。
個人事業主と会社員の違い
| 項目 | 会社員 | 個人事業主 |
| 税額の計算 | 年末調整で会社が代行 | 自分で確定申告が必要 |
| 経費の申告 | 原則なし | 自分で経費を計上できる |
| 控除の適用 | 一部は自動適用 | 自分で申告しないと反映されない |
会社員は年末調整で税金が自動的に処理されますが、個人事業主は税額の計算・申告・納付まですべて自分で行う必要があります。
そのため、控除の申告漏れや経費の記帳ミスが起こりやすく、結果として住民税が本来より高くなるケースが少なくありません。
住民税が高くなる原因とは?
住民税は、前年の所得に基づいて課税されるため、意外に高くなってしまうことがあります。ここでは、住民税が高くなってしまう主な理由を3つ紹介します。
所得の増加による課税強化
個人事業主は、売上が伸びて所得が増えると、その分住民税の課税対象となる金額も大きくなります。たとえば、経費の計上が不十分なまま売上が増えた場合、課税所得が膨らみ、結果的に高額な住民税を支払うことになります。
手元に残るお金と、実際に課税される所得のバランスが取れていないと、負担感が強くなる原因になります。
控除の未活用や申告漏れ
住民税は、各種の所得控除や税額控除を申告することで、軽減することができます。しかし、制度の仕組みを知らなかったり、確定申告時に控除の入力をうっかり忘れたりすると、本来適用されるはずの控除が反映されません。その結果、不要に高い住民税を支払ってしまうことになります。
たとえば、小規模企業共済やiDeCoなどは、掛金が全額控除対象となる制度ですが、申告しなければまったく反映されません。節税のつもりで制度を利用しても、正しく申告しなければ効果が得られないという点に注意が必要です。
開業届・青色申告未提出による不利
個人事業主が青色申告を行うためには、税務署に開業届を提出し、青色申告承認申請書を出しておく必要があります。これらの手続きをしていないと、青色申告ができず、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができません。
また、青色申告には複式簿記や帳簿作成といった条件があるため、手間を理由に白色申告のままにしている方もいます。しかし、これにより適用できる控除が限られ、住民税の負担が増えてしまうというデメリットがあります。
住民税を安くする節税方法【11選】
住民税は、ただ支払うだけの税金ではありません。法律で認められた制度や仕組みを正しく活用することで、負担を軽くすることができます。
ここでは、特に個人事業主にとって実践しやすく、効果のある節税方法を11個紹介します。
1. 青色申告特別控除を活用する
青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除が受けられます。この控除は住民税の計算にも反映されるため、節税効果が非常に高いです。ただし、青色申告をするには、税務署に「青色申告承認申請書」を提出し、複式簿記による帳簿付けを行う必要があります。
慣れないうちは手間に感じるかもしれませんが、毎年の節税効果を考えると取り組む価値は十分にあります。
2. 必要経費を適切に計上する
事業に関連する支出は、必要経費として所得から差し引くことができます。たとえば、パソコン代、通信費、取引先との打ち合わせにかかる交通費、家賃の一部(家事按分)などが該当します。
これらを正しく経費として計上することで、課税所得を下げることができ、結果として住民税の軽減につながります。帳簿への記録や領収書の保管が重要ですので、日頃から整理しておくことが大切です。
3. 少額減価償却資産の特例を使う
通常、設備や備品は耐用年数に応じて分割して経費計上する必要がありますが、「30万円未満の資産」であれば購入した年に全額を経費にできる特例があります。
この制度を活用すれば、たとえば15万円のパソコンや机などもその年の費用として一括で計上でき、所得を大きく減らすことが可能です。事業年度の利益状況に応じて、節税効果が高くなるタイミングで投資することも検討しましょう。
4. 小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、個人事業主や小規模な法人経営者が加入できる「退職金制度」です。毎月の掛金(1,000円~7万円)は、全額が所得控除の対象となるため、加入するだけで確実に節税効果を得ることができます。
また、将来的に廃業や退職などで資金を受け取る際にも税制上の優遇があり、長期的な資産形成としても有効です。
5. iDeCoを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で年金資金を積み立てる制度です。掛金の全額が所得控除の対象となり、住民税・所得税の両方に効果があります。
掛金の上限は職業によって異なりますが、個人事業主の場合は月額6万8,000円まで拠出可能です。節税しながら老後の備えができるため、特に長期的な視点で節税を意識する人におすすめです。
6. 医療費控除/セルフメディケーション税制を使う
1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、「医療費控除」を利用することで、所得から差し引くことができます。対象となるのは、治療にかかった費用で、家族分も含めて合算が可能です。
また、年間1万2,000円以上の対象市販薬を購入していれば、「セルフメディケーション税制」という別の控除も活用できます。どちらか一方しか選べませんが、家計の状況に応じて有利な方を選びましょう。
7. 生命保険料控除を申告する
生命保険や介護医療保険、個人年金保険に加入している場合は、「生命保険料控除」が適用されます。この制度により、支払った保険料の一部が所得から控除され、住民税・所得税の軽減につながります。
年末になると保険会社から「保険料控除証明書」が送られてくるので、確定申告の際には忘れずに提出しましょう。
8. 住宅ローン控除を適用する
マイホームの購入に住宅ローンを利用している場合、一定の条件を満たせば「住宅ローン控除」を受けられます。これは所得税の控除ですが、所得税から控除しきれなかった分が住民税にも適用される仕組みがあります。
ただし、住民税への控除には年額の上限(13万6,500円)がありますので、控除対象になるかどうか事前に確認することが大切です。
9. ふるさと納税を活用する
ふるさと納税は、全国の自治体に寄附をすることで、住民税・所得税の控除が受けられる制度です。実質2,000円の自己負担で寄附額の大部分が控除されるうえ、地域の特産品などの返礼品も受け取ることができます。
ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要で手続きできる場合もあるため、手軽に節税できる方法として人気があります。
10. 扶養控除を活用する(親や子を扶養に入れる)
家族を扶養に入れることで、所得控除を受けることができます。たとえば、収入のない親や子を扶養に入れた場合、一定額の控除が適用され、住民税の負担が軽減されます。
同居しているか、仕送りをしているかなど、扶養の条件もあるため、具体的な適用条件を確認しておくことが重要です。
11. クラウド会計で抜け漏れを防ぐ
節税の基本は、「正確な帳簿」と「漏れのない控除申告」です。クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を導入することで、日々の取引や領収書を効率よく記録でき、経費や控除の申告漏れを防ぐことができます。
また、青色申告に必要な帳簿も自動で作成できるため、時間と労力の削減にもつながります。
節税でどれくらい変わる?年収400万円の実例
住民税を節約したいと考える多くの個人事業主が、「実際に自分はどのくらい税金を払っているのか」「節税するとどの程度変わるのか」と疑問に感じています。
この章では、年収400万円をモデルケースにして、節税前後の違いをわかりやすく比較していきます。
年収400万円の住民税はいくら?
住民税は、次の2つの要素で構成されています。
- 所得割(前年の課税所得 × 約10%)
- 均等割(一律の金額。地域により異なるが、東京都の場合は5,000~6,000円程度)
たとえば、年収400万円の個人事業主が、必要経費や各種控除を活用して課税所得が250万円になったと仮定すると、住民税の計算は次のようになります。
| 項目 | 金額 |
| 所得割 | 約25万円(250万円 × 10%) |
| 均等割 | 約5,000円〜6,000円 |
| 合計 | 約26万円前後 |
このように、特別な対策を講じない場合、年間で約26万円の住民税がかかることになります。
節税を行った場合のシミュレーション
次に、同じ年収400万円の個人事業主が、いくつかの代表的な節税策を実践した場合に、どのくらい住民税が安くなるのかを見てみましょう。
ここでは以下の3つの節税方法を使ったケースを前提にシミュレーションを行います。
- 青色申告特別控除(65万円の控除)
- iDeCoの掛金(月2万円 × 12か月 = 年24万円)
- 小規模企業共済の掛金(月1万円 × 12か月 = 年12万円)
合計で101万円の控除または経費が追加されるイメージですが、実際には他の控除などもあるため、以下では控えめに見積もって課税所得が60万円減少するケースとして比較しています。
| 比較項目 | 節税前 | 節税後(対策実施後) |
| 課税所得 | 250万円 | 190万円(▲60万円) |
| 所得割(10%) | 約25万円 | 約19万円 |
| 均等割 | 約5,000円〜6,000円 | 約5,000円〜6,000円 |
| 合計住民税 | 約26万円 | 約20万円 |
このように、節税対策をしっかり行うことで、住民税は年間約6万円の軽減が見込まれます。また、これらの控除は所得税の計算にも反映されるため、所得税の軽減額も加えると、全体で10万円~15万円程度の節税になる可能性があります。
なお、実際の控除額や税率は、自治体や所得控除の組み合わせによって変動するため、詳細な試算を行いたい場合は、税理士や専門家への相談がおすすめです。
誤った節税で税務リスクが高まるケース
住民税を安くしようとするあまり、実態のない経費を計上したり、私的な支出を事業経費として処理するのは、非常に危険な行為です。こうした行為は税務調査で発見されれば、経費として認められず、追徴課税・延滞税・加算税などが課される可能性があります。
節税は、「制度を理解したうえで、正しく・適切に行う」ことが基本です。自己判断で行うよりも、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
個人事業主でも住民税を0円にできる?
完全に0円にするのは難しいですが、可能性はあります。住民税には「非課税限度額」があり、所得が一定額以下であれば住民税がかからない場合もあります。
たとえば東京都の場合、独身・扶養なしなら総所得が約45万円以下であれば非課税になるケースがあります。ただし、これは非常に所得が低い状態であり、現実的には控除を最大限活用して「できる限り軽減する」ことが現実的なアプローチです。
自営業と会社員で住民税はどう違う?
課税の仕組みは同じですが、納税方法と申告の手間が違います。
- 会社員:年末調整を通じて自動的に税額が計算され、給与から天引き(特別徴収)される。
- 自営業:自分で確定申告を行い、自治体からの通知に基づいて納付(普通徴収)する。
つまり、自営業者は申告内容が住民税に直結するため、控除の申告漏れや経費計上の精度が非常に重要です。
副業と本業を分けた方が節税になる?
「事業所得」と「雑所得」の違いを理解することが重要です。副業の規模や継続性によって、所得区分が異なります。
- 本業(個人事業主):事業所得として青色申告や各種控除が活用可能
- 副業(会社員の副収入):雑所得になる可能性があり、経費控除や控除枠に制限がある
節税を考えるなら、副業でも要件を満たせば「開業届+青色申告」で扱う方が有利な場合があります。
節税しすぎると税務調査されるって本当?
節税=悪ではありませんが、過度・不自然な申告はリスクになります。税務署は次のようなケースに注目します。
- 収入に対して経費割合が極端に高い
- 同業他社と比べて異常に税額が低い
- 家事按分の比率が不自然(例:家賃の90%を経費にしている)
適切な根拠・帳簿があれば問題ありませんが、不自然な点があると税務調査の対象になりやすくなるため注意が必要です。
明治通り税理士法人が支援できること
青色申告やクラウド会計の導入支援
青色申告を始めたいけれど、何から始めてよいかわからないという方には、開業届の提出から会計ソフトの設定、帳簿作成まで丁寧にサポートします。freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトの導入にも対応しており、ペーパーレスで効率的な記帳環境を構築できます。
節税に関するアドバイスや制度の選び方
iDeCoや小規模企業共済、保険料控除、医療費控除など、どの制度をどのタイミングで活用すれば最も効果的かは人によって異なります。 明治通り税理士法人では、お客様の収入状況・家族構成・将来設計に合わせて、最適な節税方法を一緒に考えることが可能です。
定期的なチェックと節税プランの見直し
節税対策は単発の対応で完結するものではなく、事業の成長やライフステージの変化に応じて、継続的かつ戦略的に見直していくことが重要です。当法人では、税務の専門知識に基づき、定期的なご相談を通じて、各年度の財務状況や事業環境に最適化された節税プランの策定・調整を丁寧にサポートいたします。これにより、長期的な税務リスクの低減と資金効率の向上を同時に実現することが可能です。
全国対応・オンライン相談も可能
明治通り税理士法人は、渋谷・横浜・札幌の各拠点に加え、Zoomなどを活用したオンライン相談にも対応しております。遠方にお住まいの方や、対面での打ち合わせが難しい場合でも、日本全国どこからでも専門的な税務相談をご利用いただけます。各拠点の経験豊富なスタッフが、地域に根ざした視点と全国的なネットワークを活かし、丁寧かつ実践的なサポートを提供いたします。
まとめ
ここまで、個人事業主が住民税を安くするための具体的な方法を11個紹介してきました。どの方法も合法的に節税できる手段ですが、大切なのは「正しく、そして漏れなく」活用することです。
「本当に自分に合った制度はどれか?」「この経費は計上して大丈夫?」といった疑問がある場合は、税理士などの専門家に相談するのが安心です。
お困りの方はぜひ明治通り税理士法人にご相談ください。