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投稿日:2025.10.14

会計参与と監査役の違いとは?役割と導入メリットを徹底比較

企業の内部体制を強化する手段として注目される「会計参与」と「監査役」。どちらも経営に関与する重要な役職ですが、その役割や設置目的には明確な違いがあります。

「会計参与と監査役の違いがよくわからない」
「自社にはどちらを設置すべきなのか判断に迷っている」

そんなお悩みをお持ちの経営者や管理部門の方に向けて、本記事ではそれぞれの役割や特徴、導入メリットをわかりやすく解説します。

会計参与と監査役の基本

企業経営において、財務の透明性や組織の信頼性を高めるために、「会計参与」や「監査役」といった役職の設置が注目されています。

いずれも企業の健全な経営を支える存在ですが、制度の目的や役割、会社との関わり方には大きな違いがあります。

この章では、それぞれの制度上の位置づけや基本的な職務内容を整理し、両者の特徴と違いを解説します。

会計参与とは?

会計参与は、会社の財務書類の作成に専門家として関与することで、経営の信頼性を高める役割を担います。

会計参与の法的位置づけ

会計参与は、2005年施行の会社法により新たに制度化された役職で、取締役と共同で計算書類を作成する義務を負います。特に中小企業においては、外部の会計専門家が経営に直接関与することで、財務報告の透明性や信頼性を高める役割が期待されています。

これは、単なる帳簿作成業務を超えた「意思決定支援」や「第三者への説明責任強化」にもつながる制度として注目されています。

必要な資格と任命方法

会計参与に就任できるのは、以下のいずれかの国家資格を有する者に限られています。

  • 公認会計士
  • 税理士

任命には、株主総会での普通決議による承認が必要で、就任後は法務局への登記が義務付けられます。これは、会計参与が外部専門家であるにもかかわらず、取締役と同様に会社の役員の一員として認識されるからです。

監査役とは?

監査役は、経営者による業務執行を監視し、不正の未然防止や法令順守を担保する役職です。

監査役の基本的な機能

監査役は、取締役会のメンバーとは独立した立場から、業務や会計の執行内容が適切かどうかを監視することが主な職務です。経営からの独立性が担保されていることで、会社にとってのチェック&バランス機能を果たします。

特に、内部統制や法令順守体制の整備が求められる会社では、監査役の存在が経営の健全性を裏付ける重要な証となります。

監査役の種類

監査役には以下の2種類があります。

  • 常勤監査役:社内に常駐し、日常業務の監査や経営会議への参加を行う
  • 非常勤監査役:定期的な監査や会議参加を通じて監視業務を行う

会社の規模や業務内容、管理体制の成熟度に応じて、どちらの形態を採用するかが検討されます。

会計参与と監査役の違いを徹底比較

この章では会計参与と監査役の違いを詳しく比較します。

経営参加の度合いの違い

会計参与は、取締役と共同で計算書類を作成し、会計の専門家として経営の中に入り込んで関与する役職です。具体的には、経営者と直接やり取りしながら財務データを整え、意思決定を支援するなど、会社の内部に入り込んで支える立場となります。

一方で、監査役は取締役の業務執行を外部の視点から監視する役割を担っており、経営から独立した立場にあることが求められます。日々の業務に関与することはなく、経営判断の正当性や法令順守の状況を監督することが主な任務です。

そのため、会計参与は「経営をサポートする存在」、監査役は「経営をチェックする存在」と捉えると、それぞれの立ち位置が明確になります。

法的義務と任意性の違い

会計参与と監査役は、いずれも会社法に基づく制度ですが、設置義務の有無には違いがあります。

中小企業においては、どちらの役職も原則として任意設置となっています。ただし、監査役については、会社の規模や機関設計によっては、法的に設置が義務づけられる場合があります。たとえば、「監査役会設置会社」や「大会社」といった区分に該当する場合には、監査役の設置が必要です。

一方、会計参与については、制度上の設置義務は存在していません。導入はあくまで任意ですが、専門家の関与によって計算書類の信頼性を高めたいと考える企業にとっては、有力な選択肢となります。

どちらが経営に有益か?目的別に解説

以下の表は、よくある経営課題に対して、どちらの役職がより適しているかを整理したものです。

経営課題 向いている役職 理由
財務面の透明性を高めたい 会計参与 会計の専門家が決算書作成に関与するため、信頼性が向上する
不正防止や内部統制を強化したい 監査役 経営から独立した立場で業務を監視することができる
銀行や投資家への印象を良くしたい 会計参与 専門家の存在が第三者にとっての安心材料となる
法令順守体制を整備したい 監査役 コンプライアンス体制の監視機能を担うことができる

このように、会計参与と監査役にはそれぞれ異なる強みがあり、どちらが自社にとって有益かは、会社の目的や課題に応じて判断する必要があります。両者の役割を正しく理解し、自社に必要な機能を見極めたうえで制度設計を行うことが、経営の質を高めるうえで大切です。

会計参与を設置するメリット

この章では、会計参与を設置することで得られる経営上のメリットを実務的な視点から整理します。

経営判断の質が向上する

会計参与は、財務の専門家として経営者の意思決定を数値面から支援します。経営判断に必要な会計データを整理・分析し、必要なタイミングで提供することで、直感や経験に頼った判断から、論理的かつ根拠ある意思決定へと改善できます。

また、会計参与と定期的に意見交換する体制があることで、経営者自身が気づいていないリスクや課題を早期に発見し、柔軟に対応することが可能になります。これは、将来の経営トラブルを未然に防ぐための「見える化された経営」の第一歩と言えるでしょう。

決算書の信頼性が増す

会計参与は、取締役と連名で計算書類を作成し、その内容に責任を持ちます。これにより、単に経営者や社内だけで作られた決算書よりも、第三者からの信頼度が高くなります。

特に以下のような場面では、会計参与の存在がプラスに働きます。

  • 税務調査に備えた資料の整備と透明性確保
  • 金融機関による融資審査時の評価向上
  • 新規取引先との信用審査・契約判断

「会計の専門家が関与している」という事実は、それだけで決算書の信頼性を担保する強力な裏付けとなります。

金融機関・取引先からの信頼強化

融資や資金調達を行う際、金融機関が重視するのは「数字の正確さ」だけでなく、「作成体制の信頼性」です。会計参与が関与していることにより、財務体制がしっかりしている企業として評価されやすくなります。

また、M&Aや出資を検討する外部のステークホルダーにとっても、経営に外部の専門家が参画している体制は安心材料となり、企業価値の向上にもつながります。

会計参与を設置する際の注意点

会計参与の設置する場合、以下のことを確認しておきましょう。

  • 月額数万円〜十数万円程度の報酬が発生する
  • 株主総会での選任、登記などの法的手続きが必要になる
  • 社内の業務フローを一部見直す必要が生じる場合がある

さらに、会計参与を「監査役の代替」として安易に導入することには注意が必要です。両者の役割は大きく異なり、監視機能を求めている場合には監査役の方が適切です。目的と期待値を明確にし、自社にとって本当に必要な制度かどうかを判断したうえで導入を検討しましょう。

導入にあたっては、信頼できる税理士や会計事務所と事前に相談することが望まれます。

会計参与を導入する流れ

この章では、会計参与を実際に導入する際の流れについて詳しく解説します。

設置の必要性を検討する

まずは、自社にとって本当に会計参与が必要かどうかを見極めることが重要です。制度として任意ではあるものの、企業の状況によっては設置によって得られる効果が非常に大きくなるケースがあります。

たとえば、以下のような企業では特に導入を検討する価値があります。

  • 金融機関や取引先からの信用力を高めたい
  • 経営者自身が財務に対する不安を感じている
  • 外部の専門家による継続的な経営サポートを受けたい
  • 将来的にM&Aや上場を視野に入れている

これらの目的を明確にしたうえで、会計参与の役割が経営課題の解決にどう貢献するかを検討することが大切です。

候補者の選定と契約

会計参与に就任できるのは、公認会計士または税理士に限られています。そのため、自社にとって適切な人物をパートナーとして選ぶことが成功のカギを握ります。

選定にあたっては、以下のような観点を重視しましょう。

  • 自社の業界や事業モデルへの理解があるか
  • 経営者や経理担当者と信頼関係を築けるコミュニケーション力があるか
  • クラウド会計やITツールの活用に柔軟であるか

候補者が決定したら、業務範囲・頻度・報酬・契約期間などについて、契約書などの書面で明確に取り決めておくことが不可欠です。

株主総会での承認と登記

会計参与を正式に設置するには、株主総会での普通決議による承認が必要です。承認後、以下の書類を準備して法務局に登記申請を行うことで、会計参与の就任が法的に成立します。

主な登記関連書類

  • 会計参与就任承諾書
  • 資格証明書(税理士証票または公認会計士登録簿記載事項証明書など)
  • 株主総会議事録
  • 登記申請書類一式(登記申請書、登記すべき事項など)

登記を完了することで、会計参与の情報が会社登記簿に記載され、対外的にも正式な役職者として認識されることになります。

社内周知と業務開始

登記が完了したら、会計参与としての業務が本格的にスタートします。ただし、形だけ設置するのではなく、社内の関係者が会計参与の役割を正しく理解し、連携体制を整えておくことが運用の成功には不可欠です。

具体的には、以下のような取り組みを意識すると良いでしょう。

  • 会計参与と経営層・経理担当者との定期的な打ち合わせ機会の設定
  • 会計データをリアルタイムで共有できる体制(クラウド会計の導入など)
  • 意思決定に関わる場面で、会計参与が適切に関与できる仕組みの明文化

このように、会計参与の設置は一度きりの手続きではなく、経営体制の中でどのように機能させるかが最も重要です。継続的な連携と運用改善を通じて、導入の効果を最大化していく必要があります。

会計参与・監査役どちらを選ぶ?

この章では、会社の目的や経営課題に応じて、会計参与と監査役のどちらを選ぶべきかを判断するための視点や考え方を紹介します。

スタートアップ・中小企業にはどちらが有効?

創業間もない企業や、従業員数が少ない中小企業にとっては、限られたリソースで財務体制を整え、外部からの信頼を確保することが重要です。こうした企業では、経営に密接に関与し、実務レベルで支援を行ってくれる会計参与の方が、運用しやすく効果も出やすい傾向にあります。

たとえば、日常的な会計処理の整備、経営者との定期的な意思決定支援、クラウド会計の活用など、専門的なノウハウを持つ会計参与の存在が、経営の推進力となります。

一方で、事業規模が拡大し、取締役の人数が増えたり、事業リスクが多様化するフェーズでは、内部統制や監視体制の整備が求められます。

このようなケースでは、取締役の職務をチェックする監査役の設置が、ガバナンス強化にとって適切な選択となることがあります。特に、医療・金融・建設など法令遵守が強く求められる業種では、監査役の重要性がより高まります。

外部評価や融資を意識するなら?

金融機関からの融資を受けたい、もしくは新規取引や出資を進めたい企業にとって、第三者からの「信用」をいかに確保するかは大きな課題です。

会計参与が設置されている企業は、財務書類の作成に外部の専門家が関与しているという点で、評価が高くなりやすい傾向があります。この「専門家が関与している会社である」という印象は、融資審査やビジネス交渉の場面において、安心材料として働きやすく、実際に取引がスムーズに進む例も少なくありません。

一方で、IPOを目指している企業や、大企業としてすでに複数の利害関係者を抱える組織においては、経営の透明性や法令順守体制が重視されます。このような企業では、監査役や監査役会を設置し、独立した監視体制を整えることで、対外的な信頼性を一層高めることができます。

明治通り税理士法人が支援できること

明治通り税理士法人では、会計参与制度の導入から実務運用まで、企業の状況に応じたサポートを提供しています。会計参与を単なる制度として導入するのではなく、実際に経営に活かせるよう支援しています。

以下のような支援を通じて、制度導入の負担を最小限に抑え、効果を最大限に引き出します。

  • 会計参与候補のご紹介(税理士資格を有する専門家が対応)
  • 契約手続き、株主総会での決議支援、登記までの一連の実務対応(一部提携先依頼)
  • クラウド会計ソフトの導入・運用支援による効率的な体制づくり
  • 財務データの見える化による経営判断の質の向上サポート

中小企業やスタートアップだけでなく、地域密着型の法人や支店展開中の企業にも柔軟に対応しています。 「自社には会計参与と監査役のどちらが合っているのか迷っている」という方は、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

会計参与と監査役は、いずれも企業の健全な経営を支える重要な役職です。しかし、その役割や関わり方は大きく異なります。

  • 会計参与:経営の“内側”から財務支援を行い、専門家の知見で意思決定の質を高めます。
  • 監査役:経営の“外側”からチェックし、不正防止や内部統制の整備に貢献します。

会社の成長フェーズや抱えている課題によって、どちらがより適しているかは異なります。「どちらかを選ぶ」というよりも、「何を解決したいのか」を明確にすることが最適な制度設計への第一歩です。

明治通り税理士法人では、こうした制度選択から導入、日常の運用支援までワンストップで対応しています。ぜひ、貴社にとって最適な体制を一緒につくっていきましょう。

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