法人設立届出書を税務署へ正しく提出する方法【記入例あり】
法人を設立したあと、最初に立ちはだかるのが「法人設立届出書の提出」です。
「どこに出すの?」「いつまでに?」「何を添付するの?」といった疑問に直面する方も多いでしょう。しかも、税務署に提出するこの書類は、記入ミスや提出遅れがあると、今後の税務処理や申告にも影響する重要書類です。
この記事では、法人設立届出書に関する情報を初心者にもわかりやすく解説します。提出方法から書き方のポイント、よくあるミスの回避法まで、失敗しないための実務的ノウハウをぜひご覧ください。
目次
法人設立届出書とは?
法人設立届出書とは、会社などの法人を新しく作ったときに、税務署へ提出しなければならない書類です。これを出すことで、税務署は「この法人に対して税金の手続きを始めますよ」と把握できるようになります。
もし提出を忘れたり遅れたりすると、法人税や消費税の申告に支障が出たり、場合によってはペナルティの対象になることもあります。そのため、法人を作ったらできるだけ早く税務署に提出することが大切です。
提出が必要な法人の種類
法人設立届出書は、原則としてすべての営利法人・非営利法人が提出対象です。たとえば以下のような法人が該当します。
- 株式会社(株式会社設立登記後)
- 合同会社
- 一般社団法人・一般財団法人
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 医療法人・学校法人・宗教法人 など
なお、法人格を持たない任意団体や個人事業主は対象外です。
法人設立届出書の提出先・提出期限・提出方法
法人設立届出書は、法人として事業を開始するための第一歩です。この章では「どこに、いつ、どのように提出するのか」という実務面の要点をわかりやすく解説します。
提出先はどこの税務署?
法人設立届出書の提出先は、法人の本店所在地を管轄する税務署です。法人を設立したら、登記された本店所在地を基準に、最寄りの税務署を確認しましょう。
税務署の管轄は、国税庁のサイトから簡単に調べることができます。
提出期限は設立後どのタイミング?
提出期限は「設立登記の日から2ヶ月以内に提出」と明確に定められています。
この「設立登記日」とは、法務局に設立登記の申請を行い、受理された日を指します。登記が完了した日ではなく、申請した日が設立日となります。この日から起算して2ヶ月以内に、法人設立届出書を税務署へ提出しなければなりません。
提出が遅れた場合の罰則は明記されていないものの、青色申告承認申請など他の届出との関係で不利になることがあるため、早めの対応がベストです。
郵送/持参/オンライン提出の可否と注意点
法人設立届出書は、以下の3つの方法で提出可能です。
| 提出方法 | 可否 | 備考 |
| 税務署の窓口に持参 | 〇 | 受付印の代わりに当面の間はリーフレットがもらえる。 |
| 郵送 | 〇 | 収受印の代わりにリーフレットにて受付印を希望の場合は、返信用封筒・切手を同封 |
| e-Tax(オンライン) | △ | 可能だが「法人設立ワンストップサービス」や「マイナポータル」経由など限定的な手段が多い |
税務署では令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わなくなりました。
書面申告等における申告書等の提出(送付)の際は、申告書等の正本(提出用)のみを提出(送付)する事になります。
申告書等の控えへ収受日付印の押なつは行われないため、必要に応じて、ご自身で控えの作成及び保有、提出年月日の記録・管理をしてください。
なお、令和7年1月以降、当分の間の対応として、窓口で交付する「リーフレット」(今般の見直しの内容と申告書等の提出事実等の確認方法をご案内するもの)に申告書等を収受した「日付」や「税務署名」を記載したものを、希望すれば頂く事ができますので頂いて下さい。
郵送等により申告書等を提出する際に、切手を貼付した「返信用封筒」を同封された方に対しても、窓口での収受の場合と同様、当分の間の対応として、日付・税務署名(業務センター名)を記載したリーフレットを同封して返送いたします。
郵送の注意点
郵送提出を選ぶ場合は、以下の点に注意してください。
- 提出用を用意(税務署保存用)
- リーフレットの返送を希望する場合は、「返信用封筒(自分の住所記載済み)」+「切手」を同封
- 書類到着から控え返送まで、1週間以上かかることもある
- レターパックや簡易書留を利用すると、追跡ができて安心
なお、収受した日付等を記載したリーフレットは、銀行口座開設や各種行政手続きで使用するケースもあるため、必ず保存しておくことをおすすめします。
必要書類と添付書類の一覧
法人設立届出書を提出する際には、単に書類1枚を提出すればよいというわけではなく、複数の「添付書類」を同時に提出する必要があります。ここでは、提出時に必要となる主な書類とその役割について解説します。
登記事項証明書(登記簿謄本)
これは、法人の設立が正式に登記されたことを証明する書類です。法務局で法人設立登記を完了させた後に取得します。提出用には原本またはコピーのいずれかが必要ですが、税務署によっては「原本提出→コピー返却」の対応となる場合もあるため、複数部取得しておくと安心です。
定款の写し
法人の目的や組織構造などを定めた基本ルールが記載された定款も、法人設立届出書の添付書類として提出が必要です。こちらはコピーでも問題ありませんが、公証人の認証を受けた定款であることが前提です。
株主名簿や代表者印の印鑑証明書(場合により)
法人の種類や税務署によっては、株主構成の把握や代表権の証明を求められることがあります。これらは必須ではないものの、税理士が関与する場合や資本金の金額が多い場合など、確認資料として求められることがあります。
控え返送用封筒・切手の有無
郵送で届出書を提出する際、収受した日付等を記載したリーフレットを返送してもらうには、「返信用封筒と切手」を同封する必要があります。これを忘れると控えが戻ってこず、証明書類として利用できないリスクがあります。
実務上のポイント
- 封筒は長形3号(定形)サイズでOK。自分の住所・氏名を記載。
- 切手は普通郵便の場合、84円〜94円程度(書類の重さによる)。
- 重要書類のため、簡易書留やレターパックライトの活用もおすすめ。
特に、銀行口座の開設時や助成金申請などで「受付印付き控え」が必要となる場面が多いため、収受した日付等を記載したリーフレットの返送手配は確実に行いましょう。
法人設立届出書の書き方ガイド【記入例付き】
法人設立届出書は、一見シンプルに見えますが、記入ミスや抜け漏れがあると再提出や受理されない原因になります。ここでは、各記入欄について具体的に解説し、記入時の注意点をまとめます。
法人設立届出書のダウンロード
法人設立届出書は、国税庁のサイトからダウンロードしましょう。
法人番号、所在地、設立年月日の記載方法
- 法人番号:国税庁から付与される13桁の番号です。登記後に通知されるため、通知書を確認して記入します。
- 所在地:登記事項証明書に記載された本店所在地をそのまま転記します。
- 設立年月日:登記簿謄本に記載された設立日。
記入例:
法人番号:1234567890123
所在地:東京都千代田区〇〇1-2-3
設立年月日:令和6年7月1日
資本金や事業年度などの記載方法
- 資本金の額:登記簿謄本に記載された額と完全一致させます。
- 事業年度:設立時に定めた「決算期」を記入します(例:毎年3月末決算 → 「毎年3月31日まで」など)。
記入例:
資本金:3,000,000円
事業年度:毎年3月31日まで
給与支払事務所の有無、関与税理士の記載方法
- 給与支払事務所の有無:給与支払の予定がある場合は「有」とし、給与支払事務所の住所を記入します。
- 関与税理士:契約している税理士がいる場合、氏名と事務所名を記入します。
記入例:
給与支払事務所:東京都千代田区〇〇1-2-3(本店と同一)
関与税理士:明治通り税理士法人
添付書類チェック欄と「※欄」の記載方法
- 添付書類チェック欄:提出する書類にチェックを入れます。提出しないものに✔を入れると誤解を招くため注意。
- ※欄:特別な事情がある場合や補足説明が必要な場合に記入します(例:提出期限が過ぎた理由など)。
記入例:
※法人番号の通知が遅れたため、提出が遅延しました。
税理士の署名・押印欄の記載方法
- 税理士が作成・代理提出をしている場合、税理士の記名が必要です。
- 自社で作成し提出する場合は、この欄は空欄で構いません。
提出後によくある質問と注意点
法人設立届出書の提出後にも、意外と多くの疑問やトラブルが発生します。ここでは、提出後によくある質問とその対処法をQ&A形式で解説します。
控えが返ってこない場合はどうすればいい?
届出書を郵送で提出したにもかかわらず、返信用封筒と切手を同封したのに控えが返ってこない──このようなケースでは、いくつかの対処法があります。
まずは、提出した税務署に電話で問い合わせを行いましょう。その際、法人名と届出を送付した日を伝えることで、状況を確認してもらえます。なお、3月〜5月の繁忙期は、返送までに時間がかかることもあります。少なくとも2週間ほどは様子を見るのが無難です。
また、どうしても控えが戻ってこない場合に備え、今後は提出時に「簡易書留」や「レターパック」など追跡できる手段を利用するのがおすすめです。控えの再発行は原則として行われないため、事前の備えが重要です。
記入内容に誤りがあったときはどうする?
法人名や設立日、資本金など、重要な情報を間違えて記入してしまった場合は、早急に対応することが大切です。まずは税務署に電話で連絡し、どのような修正方法が必要かを確認しましょう。
場合によっては「訂正届出書」や再提出用の正しい書類を提出する必要があります。なお、電話番号や事業内容の一部など、軽微な誤りであれば、電話口での対応で済むこともありますが、重要項目については書面での正式な対応が求められるのが一般的です。
提出後に住所や代表者が変更になった場合は?
法人設立届出書の提出後に、本店所在地の住所や代表取締役などに変更が生じた場合は、「異動届出書(変更届)」を提出しなければなりません。
この届出は、異動があった日から1ヶ月以内に行う必要があり、変更内容が登記に関わるものであれば、登記の修正手続きもあわせて行う必要があります。変更届を怠ると、税務署の登録情報にズレが生じ、今後の通知や申告に支障が出る可能性もあるため注意しましょう。
他にも提出すべき届出書はある?
法人設立届出書だけでなく、法人設立後すぐに提出が必要となる書類は他にも複数あります。たとえば、青色申告の承認申請書は、設立日から3ヶ月以内か、第1期の事業年度終了の日とのいずれか早い日までに提出しないと適用を受けられません。
また、給与の支払いがある場合は「給与支払事務所等の開設届出書」や、「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」なども提出が必要です。これらの書類を忘れてしまうと、税務上のメリット(節税・手続き簡略化など)を受けられなくなる可能性があるため、早い段階でリスト化しておくと安心です。
提出が遅れた場合、罰則はある?
法人設立届出書自体に明確な罰則はありません。しかし、提出が遅れたことで起きる間接的なデメリットは決して小さくありません。
たとえば、青色申告の承認申請が間に合わなくなると、税制上の優遇が受けられなくなります。また、税務署から提出催促の文書や電話が入ることもあります。さらに、他の提出書類(消費税関連、源泉税関連など)も連鎖的に遅れてしまい、初年度から余計な対応コストが発生する恐れもあります。
設立直後はやるべき手続きが多く、つい忘れがちになるため、スケジュール管理やチェックリストを活用して、提出漏れを防ぐことが重要です。
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まとめ
会社を設立すると、まず登記をして「法人」としてスタートしますが、実はそれだけでは終わりではありません。法人としてきちんと税金の手続きを始めるには、税務署への届出が必要です。
中でも「法人設立届出書」は、自分の会社を税務署に正式に知らせるための大切な書類です。提出が遅れたり、記入にミスがあると、後々の税金の申告や優遇制度に影響が出てしまうこともあります。
法人設立届出書の提出に不安がある方は、明治通り税理士法人にぜひご相談ください。