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投稿日:2025.08.01

新株発行の手続きを完全ガイド|スケジュール・書類・注意点を網羅

「新株を発行したいが、どこから手をつければいいのか分からない」
「株主総会の決議が必要?登記はいつ?必要な書類は?」

初めて新株発行を検討する企業にとって、手続きの流れや準備すべき資料は非常に複雑に見えるものです。しかも、株主の持株比率が変わることでトラブルにつながるケースもあり、法的・実務的リスクをともなう重要な手続きといえます。

本記事では、新株発行の基本的な考え方から、手続きの流れ、必要書類、登記の注意点、ケース別の違いまでを、実務の視点からわかりやすく解説します。

非公開会社・上場企業・第三者割当など、発行形態ごとの違いや、よくある失敗、実務でつまずきやすいポイントにも触れています。

新株発行とは?どんな手続きが必要か

新株発行を初めて検討する企業にとっては、「そもそも何のために株式を発行するのか」「誰に対してどのように株を渡すのか」「どのような手続きが必要なのか」など、わからないことが多く、不安を感じる場面も少なくありません。

この章では、新株発行の基本的な仕組みや目的をはじめ、新株発行が実施される代表的なケース、そして非公開会社と上場会社での手続きの違いについて、実務の現場で役立つ視点から解説します。

そもそも新株発行とは?

新株発行とは、会社が新たに株式を発行して資本金を増やす行為です。つまり、会社にとっては外部から資金を取り込む手段のひとつであり、既存の株式とは別に新しい株を発行することで、新たな資金を得ることができます。

ただし、株式を新たに発行するということは、既存株主の持株比率が変動する(=希薄化する)ことを意味します。このため、会社の支配構造や経営権にも影響を及ぼす場合があり、慎重に進めるべき手続きといえます。

新株発行が必要になるケースとは

新株発行は、企業の資金調達・戦略実行において重要な局面で選ばれることが多く、以下のようなケースが典型です。

  • 資金調達:新規事業への投資、設備の導入、人材採用などに必要な資金を調達する。
  • 経営権の調整・強化:特定の投資家や事業パートナーに株式を割り当てることで、経営体制の強化や取引関係の強化を図る。
  • M&A(企業の買収・統合):買収先や統合先企業への対価として株式を発行する。
  • ストックオプション:優秀な役員や社員へのインセンティブとして、自社株式を付与する目的で新株を発行する。

いずれのケースも、会社の成長戦略や経営判断に直結する場面であり、発行のタイミング・方法・価格設定を間違えると大きなリスクになり得るため、法務・財務・株主対応の観点から慎重な検討が必要です。

非公開会社・上場会社で異なる手続きの違い

項目 チャットボット(+機械学習代行) AI検索システム
主な用途 問い合わせへの自動応答、簡易なFAQ対応 高精度な社内外データ検索、複雑な質問への対応
よくある課題 ・回答精度が低い
・探している文書が見つからない
精度向上手段 ・機械学習代行
・FAQパターン強化
・自社データ連携の絞り込み機能
初期からAIでの全文検索・構造化データ連携が可能
初期費用 低め(導入初期)
※精度向上には追加費用あり
高め
月額料金 低め(基本利用)
※拡張すると増加
高め
コスト面の注意点 高度なチューニングでAI検索以上の費用になる可能性あり 導入時コストは高いが追加費用は少なめ
特徴 ・対話形式
・シナリオ型対応に強い
・商品紹介に応用可能
・自然文検索可能
・マニュアル全文検索や図面検索など多用途
向いている業務・部門 ・カスタマーサポート
・簡易な業務問い合わせ対応
・建設業界(図面検索)
・コールセンター支援
・情報システム部
推奨ケース 基本的な問い合わせ対応を自動化したい場合 膨大な情報から素早く目的のデータを探したい場合

新株を発行する際の手続きは、会社の形態によって大きく変わってきます。とくに、非公開会社と上場会社では、必要な書類や意思決定の流れ、情報公開の範囲などに大きな違いがあります。

非公開会社の場合

  • 株主数が限られ、株主との関係も密接なことが多いため、比較的柔軟な運用が可能
  • 一般的には株主総会の特別決議を経て、募集事項の決定、割当、払込、登記申請へと進む
  • 書類の整備と登記申請は必須で、法務局への提出が遅れると発行が無効となる可能性がある

上場会社の場合

  • 株主数が多く、金融商品取引法や証券取引所の上場規則に基づく厳格な手続きが求められる
  • 原則として取締役会決議で発行可能だが、有利発行などの場合には株主総会の特別決議が必要
  • 適時開示(IR)が義務づけられ、価格設定の透明性と株主への説明責任が重視される

このように、新株発行の手続きは、会社の形態・目的・発行先によって大きく変わります。自社のステージや戦略に合った方法を選択し、適切な手順で進めることが、企業価値を高める上でも非常に重要です。

新株発行の方法と手続きの種類

新株発行には複数の方法と分類があり、どの手法を選ぶかによって手続きや関係者の対応が大きく異なります。

本章では、第三者割当・株主割当・公募などの「割当方法」や、申込割当方式と総数引受方式の違い、そして発行する株式の種類について詳しく解説します。

割当方法とは?第三者割当・株主割当・公募の違い

割当方法 対象 主な利用場面 特徴・注意点
第三者割当 既存株主以外の特定の相手 VC・取引先・親会社など 経営戦略や資本提携に使われる。希薄化のリスクあり。
株主割当 既存株主 株主の持株比率維持を優先する場合 公平性が高く、説明責任が明確。
公募増資 不特定多数の投資家 上場企業の資金調達など 開示・IR対応が必要。証券会社を介して実施。

新株をどのように割り当てるかによって、手続きや影響は大きく異なります。主な割当方法には以下の3つがあります。

  • 第三者割当増資:既存株主以外の特定の第三者に株式を発行する方法です。ベンチャーキャピタルや取引先など、特定のパートナーに出資してもらう際に使われます。
  • 株主割当増資:既存の株主に対して持株比率に応じた割合で新株を発行する方法です。株主の権利保護を前提とするため、透明性が高い方法です。
  • 公募増資:広く一般の投資家から出資を募る方法です。証券会社などを通じて株式市場に公開されることが一般的で、主に上場企業が利用します。

それぞれ、目的や会社の状況に応じて最適な手法を選ぶことが重要です。

申込割当方式と総数引受方式の違い

割当方式 内容 主な対象企業 特徴・注意点
申込割当方式 出資者の申込に基づき会社が割当を決定 中小企業、非公開会社 手続きが標準的。申込書の受領が必要。
総数引受方式 引受先がすべての株式を一括で引き受ける 親会社、VC、戦略パートナーなど 契約ベースで進行。申込手続きが不要なケースもある。

新株発行には、資金の払込と株式の割当をどのように行うかによって、以下の2つの方式に分かれます。

  • 申込割当方式:出資者からの申し込みを受け、会社がその内容に応じて割当を行う方式です。一般的に多くの中小企業や非公開会社で採用されています。
  • 総数引受方式:特定の引受先が発行予定株式の全てを一括で引き受ける方式です。第三者割当の一部や、親会社からの増資などで使われることがあります。

それぞれの方式で、株主総会の決議要件や登記の書類も異なるため、選定には注意が必要です。

株式の発行形態とは?普通株式・種類株式の違い

株式の種類 権利内容 主な利用目的 定款の規定
普通株式 議決権・配当・残余財産などの基本権利 標準的な資金調達、ストックオプションなど 不要
種類株式 条件付き(例:無議決権、優先配当) 経営権調整、投資家ニーズへの対応 必要

新株発行にあたっては、発行する株式の種類も重要な要素です。

  • 普通株式:議決権、配当、残余財産の分配など、すべての権利が付与された標準的な株式です。
  • 種類株式:普通株式とは異なる条件を持つ株式で、たとえば「議決権なし株式」「優先配当株式」など、柔軟な設計が可能です。

種類株式は、特定の投資家との関係調整や経営権のコントロールなどに用いられます。会社法に基づいて定款に詳細な規定を設ける必要があります。

新株発行の具体的な手続きの流れ

新株発行は、資金調達や経営戦略の一環として有効な手段ですが、法的要件や手続きの流れを正しく理解していないと、大きなミスにつながる可能性があります。

ここでは、新株発行の手続きの流れについて紹介します。

募集事項の決定と決議

まず、どのような条件で株式を発行するかを決定する必要があります。「募集事項の決定」と呼ばれ、以下の内容を定めます。

  • 発行する株式の種類および数
  • 払込金額(発行価額)
  • 払込期日
  • 割当先(誰に株を与えるか)

この決定は、取締役会または株主総会での決議が必要です。特に、第三者割当や有利発行に該当する場合は、株主総会の特別決議が求められるケースが多くなります。

株主への通知と合意

発行の条件が決まったら、既存株主に対して適切な通知と説明が求められます。特に株主割当を行う場合、通知に加えて、同意書や応募手続きなどの対応が必要となることがあります。

  • 株主の持株比率の変動
  • 議決権に与える影響
  • 公平性に関する説明責任

この段階での対応次第で、株主からの信頼を損なうリスクもあるため、文書の整備と慎重な対応が重要です。

払込(出資)の履行

株主や引受先が定められた期日までに出資金(払込金)を指定口座に入金します。ここでのポイントは、以下の2点です。

  • 指定された口座に期限までに全額が払い込まれていること
  • 払込の事実を客観的に証明できる証拠(払込証明書)を用意すること

払込が完了していない場合、その発行は無効となる可能性もあるため、入金管理を厳密に行う必要があります。

登記手続きと必要書類 

新株発行後は、資本金が増加したことを正式に反映するため、法務局での登記が必要です。登記を怠ると、新株発行自体が法的に認められないリスクがあるため、極めて重要な手続きといえます。

登記に必要な代表的書類

  • 株式発行に関する取締役会または株主総会の議事録
  • 募集事項の決定書
  • 割当決定書
  • 払込証明書(通帳コピーなど)
  • 登記申請書
  • 登録免許税の納付証明(収入印紙)

提出時の注意点・実務の落とし穴

  • 「払込証明書」は代表取締役名義の通帳であることを証明できないと差し戻されるケースあり
  • 発行条件によっては検査役の調査報告書が必要になる場合がある(現物出資など)
  • 締切に余裕を持って準備する。特に登録免許税の用意や収入印紙の手配漏れが頻出

登記は形式的な手続きである一方、法的効力に直結するため、専門家のチェックを受けてから提出するのが理想です。

新株発行する際に注意すべきポイント

新株発行の実務では、書類や手続きの整備だけでなく、法的なリスク管理や関係者との調整も非常に重要です。

本章では、特に注意すべき3つのポイントについて詳しく解説します。

持株比率の変動による株主への対応

新株発行によって既存株主の持株比率が低下することがあります。これにより、経営権への影響や株主の反発を招くリスクがあります。

  • 希薄化(ダイリューション)の問題:希薄化(ダイリューション)の問題」に関して、会社法上、新株発行によって株主の権利内容が著しく不利益を被ると認められる場合、会社法第210条に基づき株主は新株発行差止の仮処分を申し立てることが可能です。したがって、持株比率の低下が単なる経済的不利益にとどまらず、支配権に関わるような場合には特に慎重な対応が必要です。
  • 既存株主への丁寧な説明:募集事項の内容や背景を丁寧に伝えることで、誤解や不安を防ぎやすくなります。
  • 必要に応じて事前の相談や同意取得を行う:株主構成によっては、事前調整が有効です。

トラブルを未然に防ぐためには、法的整合性だけでなく心理的配慮も必要となります。

有利発行の規制 

「有利発行」とは、著しく低い価格での新株発行など、特定の者に有利な条件で株式を発行することを指します。これは既存株主の利益を損なう可能性があるため、厳しく規制されています。

特別決議が必要となるケース」について、有利発行に該当する場合、会社法第199条第3項・第4項により、原則として株主総会の特別決議(議決権の3分の2以上の賛成)を要します。特に、第三者割当の場合には、特別利害関係人が議決権を行使できない点も留意すべきです。

  • 判断基準は「実質的有利性」:形式的な価格ではなく、企業価値や時価との乖離が焦点となります。
  • 特別決議が必要となるケース:株主総会での3分の2以上の賛成を求められることがあります。
  • 客観的根拠の提示:公正な株価算定書や専門家の意見書などがあるとトラブル回避につながります。

有利発行は、株主代表訴訟など法的リスクを伴う可能性もあるため、専門家の関与が強く推奨されます。

現物出資のリスク

新株発行の対価として「現金」ではなく「不動産」「機械設備」「知的財産」などを用いるケースが現物出資です。この場合、評価や登記、税務面での課題が発生します。

  • 資産評価の適正性が問われる:評価額が不当に高いとみなされれば、株主からの異議や訴訟リスクがあります。
  • 検査役の選任が必要な場合も:会社法第33条により一定額を超える現物出資では、裁判所の選任による検査役の評価が必須となることも。
  • 税務上の課税リスク:資産の移転によって課税が発生する場合があるため、税理士との事前相談が不可欠です。

現物出資は、通常の金銭出資に比べて複雑かつ慎重な運用が必要なため、必ず専門家のサポートを受けることが望ましいです。

明治通り税理士法人ができるサポート

明治通り税理士法人では、以下のような実務支援をご提供しています。

  • 発行スキームの立案とアドバイス(非公開会社/上場会社それぞれに対応)
  • 第三者割当や有利発行の適法性チェックとサポート
  • 必要書類の作成支援(募集事項決定書、払込証明書、登記添付資料など)
  • クラウド会計と連携した増資後の資本構成整理
  • 株主への説明資料・合意書などの作成支援
  • 現物出資の税務評価・検査役対応の相談
  • 弁護士・司法書士との連携によるワンストップ支援
  • ストックオプション制度の設計支援(税制適格/非適格の比較・判定、行使価格設計、導入時の意思決定サポート)
  • 取締役会決議書・通知書などの必要書類作成支援
  • 会計処理・開示方針の整理および導入後の税務対応(源泉徴収、譲渡時課税等)

クラウド会計やペーパーレス対応といった先進的なツールを活用し、日本全国の法人・オーナー様を対象に、距離感を感じさせないオンライン対応も可能です。

まとめ

新株発行は、企業にとって大きな資金調達手段であり、将来の経営戦略を左右する重要な意思決定のひとつです。しかしその反面、手続きには複雑な法的要件と厳格な運用が求められ、些細なミスが致命的なトラブルに発展するリスクもあります。

「この条件で発行しても問題ないか」「登記までスムーズに進めたい」「株主への説明資料を整えたい」といったご相談があれば、ぜひ明治通り税理士法人までお気軽にお問い合わせください。

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「税理士の切り替えを考えている」「経理が回らないから外注したい」「今の税理士でよいのか悩んでいる」
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