• HOME
  • コラム
  • 出資者とは?役割・株主との違いを徹底解説【会社設立前に知るべき知識まとめ】
投稿日:2025.07.01

出資者とは?役割・株主との違いを徹底解説【会社設立前に知るべき知識まとめ】


会社設立やビジネスの立ち上げにおいて、よく耳にする「出資者」という言葉。なんとなく「お金を出してくれる人」というイメージはあっても、具体的にどんな役割を持ち、株主や社員とどう違うのか、正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。

この記事では、「出資者とは何か」という基本的な疑問から、株主・社員との違い、出資方法の種類、出資者が会社運営に与える影響、さらには出資にまつわるリスクとその回避法まで、わかりやすく解説します。

これから会社設立を目指している方はもちろん、出資を受ける立場の方にも役立つ情報をお届けします。出資者について正しく理解し、スムーズな会社運営の第一歩を踏み出しましょう。

出資者とは?

出資者とは、企業や団体などに対して資金や資産を提供する個人または法人を指します。一般的には、会社を設立する際に資本金を出資する人たちが該当します。出資者は資金提供の見返りとして、会社の持分(株式や出資持分)を得ることが多く、会社に対して一定の権利や利益を有することになります。

たとえば、株式会社の場合、出資者は株主となり、会社の経営方針に関する議決権を持つことになります。合同会社(LLC)の場合は、社員(出資者兼経営者)として、直接経営に携わるケースもあります。

出資は会社にとって重要な資金調達手段であり、設立時の出資者選びは企業の今後を左右する重要なポイントとなります。

出資者と株主と社員の違いは?

項目 出資者 株主 社員
意味 資金・資産を提供する者の総称 株式会社に出資し株式を保有する者 合同会社や一般社団法人に出資・経営参加する構成員
法人形態 株式会社・合同会社・一般社団法人など 株式会社 合同会社・一般社団法人など
出資対象 幅広い法人形態 株式会社の株式 合同会社の出資持分など
経営への関与 法人形態による(しない場合も多い) 原則なし(議決権あり) 原則あり(経営に直接関与)
権利 出資に応じた利益分配や議決権など 株主総会での議決権・配当請求権 業務執行権・利益分配権
役割 資金提供、経営への影響あり 会社のオーナー的立場 経営者・運営者

出資者、株主、社員は、いずれも企業における重要な存在ですが、それぞれ役割や立場が異なります。混同しやすいため、違いを明確に理解しておくことが大切です。

株主と出資者の違い

株主とは、株式会社に資金を出資し、株式を保有している個人または法人のことを指します。株主は会社の所有者として、株主総会での議決権や配当を受け取る権利を有します。

一方、出資者という言葉は、株式会社だけでなく、合同会社や一般社団法人など、さまざまな法人形態において、資金を提供する者を広く指す用語です。

つまり、株主は出資者の一種ですが、すべての出資者が株主であるとは限りません。

出資者と社員の違い

社員とは、合同会社や一般社団法人などにおいて、出資を行った上で経営に直接関与する立場の人を指します。株式会社における従業員(employee)とは異なり、法人の構成員(member)としての意味合いが強いのが特徴です。

合同会社では、出資者である社員が会社の業務執行を担うことが一般的であり、出資者=経営者である場合が多いです。

株式会社と合同会社における出資者の立場

  • 株式会社:出資者は株主となり、経営には直接関与せず、株主総会を通じて経営方針に影響を与える。
  • 合同会社:出資者(社員)は経営にも関与し、出資比率に応じた議決権を持つのが一般的。

それぞれの法人形態によって、出資者の位置づけや権限が異なるため、会社設立時には自社に合った形態を選ぶことが重要です。

出資方法の種類と注意すべきポイント

出資者が会社に資金や資産を提供する際には、いくつかの方法があります。主な出資方法と、注意すべきポイントについて解説します。

現金出資とは?手続きの流れ

現金出資は、会社設立時や増資時にもっとも一般的な方法です。設立する会社の資本金として現金を払い込むことで、出資者の立場を確立します。

現金出資の手続きは以下の通りです。

  1. 資本金の額を決定する。
  2. 出資者の氏名・出資額を定款に記載する。
  3. 資本金の払い込みを実行する(設立時は発起人名義の預金口座に払い込む)。
  4. 証明書類を作成し、法務局に設立登記を申請する。

払い込みの証明として、通帳のコピーや払い込み証明書を提出する必要がある点にも注意が必要です。

現物出資とは?メリット・デメリット

現物出資は、現金ではなく不動産や車両、知的財産権などの財産を会社に提供する出資方法です。特にスタートアップや資金調達が難しいケースで利用されることがあります。

メリット

  • 現金が手元になくても出資できる。
  • 会社の資産として活用できる財産を出資できる。

デメリット

  • 資産の適正評価が必要で、場合によっては専門家(弁護士、公認会計士など)による評価証明が求められる。
  • 設立登記時に手続きが煩雑になり、コストがかかることがある。

出資時の注意点とリスク回避法

出資は、会社にとって重要な資金調達手段ですが、対応を誤ると後々大きなトラブルに発展するリスクをはらんでいます。以下のポイントに十分注意しましょう。

出資契約の明確化

出資する際には、必ず契約書を作成し、出資の内容や条件を明確にしておく必要があります。口頭での約束やメールのやり取りだけでは、後から認識違いが生じやすく、特に以下の項目は明記しておくべきです。

  • 出資額
  • 出資の対価(株式数や持分比率)
  • 出資者の権利・義務(議決権の有無、配当の取り扱い)
  • 出資金の払込期限や方法
  • 出資契約の解除条件(万一トラブルが起きた場合の対応)

 リスク回避ポイント

  • 契約書作成時は弁護士など専門家に相談する。
  • 会社設立時の登記情報と矛盾がないかダブルチェックする。

出資額と持分比率の設定

出資額に応じた持分比率(株式の割合や持分割合)を明確に定めることが重要です。これを曖昧にしておくと、後々の会社運営で経営権をめぐる争いに発展するリスクがあります。

たとえば、50%以上の持分を持つと単独で経営方針を決定できるため、出資比率の設計は慎重に行う必要があります。

 リスク回避ポイント

  • 特定の出資者に経営権が集中しすぎないよう設計する。
  • 必要に応じて、株主間契約(SHA: Shareholders Agreement)で経営ルールを事前に定めておく。

出資財産の適正評価(現物出資の場合)

現物出資を行う場合、その財産の適正な価値評価が求められます。不動産や知的財産、車両などの現物は、資本金として計上されるため、過大評価や過小評価を防ぐことが重要です。

法務局への登記手続きの際には、資産価値を証明する書類(鑑定評価書など)の提出が必要なケースもあります。

 リスク回避ポイント

  • 重要な資産については第三者機関の評価書を取得する。
  • 法的リスクを回避するため、専門家(弁護士、公認会計士など)に評価を依頼する。

出資者が会社運営に与える影響とは?

出資者は、単に資金を提供するだけでなく、会社の運営に対しても大きな影響を及ぼします。特に出資比率は、経営権や意思決定に直結するため、注意が必要です。

出資比率と経営権の関係

出資比率が高い出資者は、会社の意思決定において強い影響力を持つことになります。

具体的には、株式会社の場合、株式の保有比率によって以下のような権利が付与されます。

出資比率 権利内容
1/3以上 特別決議の阻止(重要事項の拒否権)
50%以上 普通決議の単独可決(取締役選任・解任など)
2/3以上 特別決議の単独可決(定款変更、増資・減資など)

このため、経営の主導権を誰が握るかを考慮して、出資比率を設計することが非常に重要です。

出資者間トラブルの事例と回避策

出資者間で経営方針が対立したり、利益配分をめぐってトラブルが発生するケースは少なくありません。

典型的なトラブル例としては次のようなものがあります。

  • 議決権の行使をめぐる争い
  • 経営方針や戦略に対する意見の不一致
  • 配当金の配分トラブル

回避策

  • 出資時に株主間契約(SHA)を締結し、重要事項の決定ルールを定める。
  • 定款で事前に経営ルールや配当ルールを明確にしておく。
  • 定期的なミーティングを設け、出資者間の意思疎通を図る。

出資比率による税務上のポイント

出資比率は、会社の経営だけでなく、税金の面でも大きな影響を与えます。

たとえば、ある会社に対して出資比率が高い人や法人は、単なる出資者ではなく、「会社の経営に強い影響力がある」とみなされることがあります。この場合、税金の申告方法が普通と変わり、会社の利益や損失を一部自分の決算に反映させる「持分法」というルールを使わなければならなくなることもあります(※持分法の適用は連結対象会社や関連会社に限られます。個人事業主には適用されません。法人の場合でも一定の持株比率や支配基準が必要です。)。これにより、税金の手続きが複雑になり、対応に時間やコストがかかるリスクが生まれます。

また、将来その株式を売ったり相続したりする時にも注意が必要です。出資比率が高いと、その株式は「支配している株」として評価されるため、価値が高く見積もられます。その結果、相続税や贈与税が高額になるリスクが出てきます(※特に中小企業評価通達における「特定の評価会社」該当の可能性など)。

こうしたリスクを避けるためには、出資する前に、自分の出資比率が将来どんな影響を持つのかをよく考えておく必要があります。特に、会社を設立する時点で税理士や会計士に相談しておくと、後で困るリスクを大きく減らすことができます。

会社設立時の出資者に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、出資者に関してよくある質問にわかりやすくお答えします。

出資者とはどういう意味ですか?

出資者とは、会社や団体に資金や資産を提供する個人や法人を指します。特に会社設立時には、資本金を提供して会社の立ち上げを支援する重要な役割を担います。出資者は、会社に対して一定の権利や利益を持つことが一般的です。

株主と出資者の違いは何ですか?

株主は、株式会社において出資を行い株式を持つ人を指します。一方、出資者は株式会社に限らず、合同会社や一般社団法人などでも資金を提供する人を指します。つまり、株主は出資者の一種ですが、すべての出資者が株主というわけではありません。

出資者と経営者の違いは何ですか?

出資者は、資金を提供して会社を支援する立場の人です。経営者は、会社の運営や経営方針の決定を行う人を指します。場合によっては、同じ人物が出資者であり経営者であることもありますが、役割は明確に異なります。

社員とは出資者のことですか?

合同会社(LLC)などでは、社員とは出資を行った上で会社の経営にも参加する人を指します。この場合、社員は単なる従業員ではなく、会社の構成員としての権利と義務を持っています。株式会社の従業員(employee)とは意味が異なるので注意が必要です。

出資に関するご相談は「明治通り税理士法人」へ

出資者との関係構築や、会社設立時の資本金設定、税務リスクの回避など、出資に関わる手続きやトラブル対策は、専門的な知識が求められます。

明治通り税理士法人では、会社設立前のご相談から、設立後の経営・税務サポートまで、幅広くご対応しています。

  • 税務・会計はもちろん、会社設立に必要な手続きもワンストップでサポート
  • クラウド会計にも対応、全国どこからでもご相談可能
  • オーナー様個人の税務相談も柔軟に対応

出資にまつわる不安や疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

まとめ

出資者は、会社の設立や運営において非常に重要な役割を果たします。単に資金を提供するだけでなく、経営に影響を与える立場にもなるため、出資者との関係構築や契約内容の整備が不可欠です。

出資者、株主、社員といった言葉の違いをしっかりと理解し、出資方法や出資比率に関する知識を身につけておくことで、将来的なトラブルを防ぐことができます。また、税務上のリスクについても出資段階で意識しておくことが、後々の経営の安定につながります。

会社設立をスムーズに進め、安心して運営していくためには、出資者に関する正しい理解と、適切な準備が欠かせません。疑問や不安がある場合は、早めに税理士や専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

無料相談受付中

「税理士の切り替えを考えている」「経理が回らないから外注したい」「今の税理士でよいのか悩んでいる」
などのお悩みに対し、無料相談を受け付けております。
全国対応可 受付時間 平日9:00〜18:00
WEBお問い合わせ